
この度、Socious Walletに画期的な新機能が加わり、ブロックチェーンウォレットのセキュリティと使いやすさが大幅に向上しました。新しい機能により、従来のシードフレーズに依存することなく、パスワードで保護されたバックアップファイルを使ってウォレットをリカバリーできるようになりました。
シードフレーズベースの復元の問題点
シードフレーズ、またはニーモニックフレーズとは、ブロックチェーンウォレットを復元するために必要な単語のリストです。これまで標準的なリカバリー方法とされてきましたが、以下のような課題を抱えています:
- 単一障害点: シードフレーズは紛失、盗難、人為的ミスに対して脆弱です。誰かがシードフレーズにアクセスすると、ウォレットとその資金にアクセスすることができます。
- ユーザーフレンドリーでない: シードフレーズは一般的なユーザーにとって分かりにくく、管理も難しいため、ブロックチェーンの普及を妨げる要因になっています。
- セキュリティリスク: シードフレーズを安全に保管するのが難しく、デジタルで保管する場合もハッキングリスクが伴います。
こうした課題は、ブロックチェーン技術のさらなる普及を阻む要因とされています。例えば、Cointelegraphの記事でも、直感的なウォレット体験がWeb3の普及には重要であり、シードフレーズはその障害の一つと指摘されています。
Sociousの解決策:パスワード保護されたバックアップファイル
これらの問題を解決するため、Socious Walletではパスワードで保護されたバックアップファイルを使用してウォレットを復元できる新機能を追加しました。この方法は、パスワードとバックアップファイルを組み合わせた二要素認証を取り入れて、セキュリティと使いやすさを両立しています
主要な特徴:
- シードフレーズ不要: ユーザーはシードフレーズを管理したり保管する必要がありません。
- 安全なバックアップ: パスワードで暗号化されたバックアップファイルを作成可能になりました。
- 柔軟な保管: 外付けハードドライブやクラウドストレージなど、任意の場所に保存ができます。
- 簡単な復元: バックアップファイルをパスワードで復号化するだけで、ウォレットを簡単に復元できます。
このアプローチにより、シードフレーズに関するリスクが解消され、より直感的で簡単なリカバリープロセスが実現します。
動作方法
この機能はSocious Walletで既に利用でき、以下のデモ動画で確認できます。
ユーザーはまず、ウォレットを安全にバックアップするために、暗号化されたバックアップファイルを作成し、復元用パスワードを設定します。このバックアップファイルは希望する場所に保管でき、復元時にはパスワードでファイルを復号化するだけで完了します。
今後の展開:Atala PRISM Identity Wallet SDKの強化
この機能を、Cardanoエコシステムの他のプロジェクトでも利用できるよう、Atala PRISM Identity Wallet SDKへの貢献も予定しています。主な追加内容は以下の通りです。
- パスワード保護されたバックアップファイル: 暗号化されたバックアップファイルの作成と保存が可能。
- ユーザーアラート:バックアップの重要性をユーザーに促すアラート機能。
- 柔軟な復元オプション: シードフレーズを使わずにウォレットを復元できる方法を提供。
この機能追加については、IOGのAtala PRISMチームとも話し合っており、SDKへの貢献として歓迎されています
まとめ
シードフレーズから多要素認証を活用したファイルバックアップによるリカバリー方式への移行により、Socious Walletは、安全で使いやすいウォレット管理の新たなスタンダードを提供します。これにより、ユーザーはシードフレーズのリスクや管理の複雑さを気にせず、自己主権型ID(SSI)、分散型識別子(DID)、検証可能な資格(VC)といった技術の利便性を享受できます。
今後のアップデートにもぜひご期待ください。私たちは、より多くの人々がブロックチェーン技術を快適に利用できるよう、セキュリティと利便性の向上に努めてまいります。