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EUタクソノミーの簡素化: データポイントは64%減、そして「どちらを使ったか」の開示義務

Socious Team
EUタクソノミーの簡素化: データポイントは64%減、そして「どちらを使ったか」の開示義務

2025年度を対象として2026年に公表するサステナビリティ報告書では、どちらのタクソノミー規則を適用したかを、文脈情報の中に一文で記載する必要があります。簡素化後の規則か、従来の規則か。

この一文は新しく加わったものです。そして、その選択はデータ収集を始める前に決めておく必要があります。

改正委任規則は、2026年1月8日にEU官報で公表され、2026年1月1日から遡って適用されます(Linklaters)。非金融事業者の場合、活動ごとのデータポイントは78から28へ、64%削減されます(Grant Thornton)。金融事業者では最大89%の削減です(Debevoise)。

64%という数字が見出しになります。ただし今年度中に決めなければならないのは、開示される「どちらを選んだか」のほうです。

10%の閾値は、KPIごとに見る

中心となる簡素化は、重要性の閾値です。売上高、CapEx、OpExのいずれかで合計10%未満となる活動は、タクソノミー適合性の完全な評価が不要になります。判定はKPIごとに別々に行うため、売上高では非重要、CapExでは重要、という状態があり得ます。

除外した活動が報告書から消えるわけではありません。Grant Thorntonは明確に書いています。これらの活動も「報告は必要だが、要約の形で足りる」ということです。軽くなるのは評価作業であり、様式への記載義務そのものは従来どおり残ります。

この違いが、実際の削減幅を決めます。タクソノミーの工数が、小さな活動の技術的スクリーニング基準とDNSHの根拠収集に集中しているなら、効果は大きいはずです。工数が、売上高・CapEx・OpExを財務システムから正しく配賦する作業に集中しているなら、効果は限定的です。10%未満であることを示すためには、結局その配賦が必要だからです。

OpExは、丸ごと外せる場合がある

二つ目の救済は範囲が狭く、企業によっては価値が大きいものです。事業モデルに照らしてOpExが重要でない場合、OpExの総額のみを報告し、適格性と整合性の評価を行わないことが認められます。ただし、なぜ重要でないのかを説明する必要があります。

資産の軽い事業では、最も工数のかかるKPIが一つ外れることになります。代わりに、なぜOpExが重要でないのかを説明する義務が残ります。この説明は保証業務の対象になるため、期末に一文を書き足して済ませることはできず、判断の根拠を期中に残しておく必要があります。

DNSHの範囲が絞られる

DNSH基準の附属書Cは、タクソノミー対応の中で静かに工数を食ってきた部分です。自己分類された膨大な物質リストと照合する必要がありました。

改正後は、欧州化学機関(ECHA)の認可対象候補物質リスト、いわゆる高懸念物質に焦点が絞られます。製造業にとっては、評価スケジュールを縮める効果が最も見込める変更です。終わりの見えない調査が、定義されたリストとの照合に変わるためです。

金融事業者のオプトアウトと、その制約

金融事業者には別の救済が用意されています。タクソノミー報告義務のない先に対するエクスポージャーは除外でき、任意で報告している先や資金使途が特定されている与信は算入できます。トレーディング勘定や手数料業務に関する一部のKPIは、2028年まで延期されます。

詳細様式については、2027年12月31日までのオプトアウトもあります。FY2025とFY2026の報告書が対象で、環境的にサステナブルと判定される活動はない旨の記述に置き換えられます。Debevoiseは、この制度に二つの制約があると指摘しています。全部か無かであること、そして整合性を主張する事業者は利用できないことです。後者にはグリーンボンドの発行体が含まれます。

この二つ目が、計画面では重要です。オプトアウトの期間中に資金使途特定型のグリーンボンドを発行する予定がある銀行は、その年度についてオプトアウトを選べません。判断は報告カレンダーではなく、資金調達計画に合わせて行う必要があります。

「どちらを選んだか」は開示事項になる

2025年中に開始または終了する事業年度を対象とする2026年の報告書では、従来のルールと改正後のルールのどちらかを選べます。選択は全部か無かです。従来のルールを選ぶ場合は、それを完全に適用します。

そして、静かな社内判断を開示に変える義務が続きます。報告事業者は、2025年についてどちらのルールを適用したかを、サステナビリティ報告書の文脈情報に記載することとされています。

短い一文ですが、影響は長く残ります。三点あります。

第一に、選択が比較可能になります。同業他社を並べれば、どちらが簡素化を取り、どちらが取らなかったかが読み取れます。これまで存在しなかった比較であり、実際に行われます。

第二に、選択が監査の対象になります。サステナビリティ報告書に記載される以上、限定的保証の範囲に入ります。保証実務者は、適用したルールを確認し、数値との整合を検証できます。KPIごとに新旧のルールが混在していれば、それも見える形になります。

第三に、選択はデータ収集を縛るタイミングで行う必要があります。先にデータを集めてから、三月にどちらの制度向けかを決める、という進め方はできません。10%の閾値を使うには、配賦が要ります。OpExの救済には、文書化された理由が必要です。従来の制度では、活動ごとに78のデータポイントを集めます。収集の設計がそれぞれ違います。

年度末までに決めること

多くの企業では、四つの問いで判断がつきます。

売上高、CapEx、OpExのそれぞれで見て、10%未満に収まる活動はどれか。ここで削減余地の大きさが決まります。

自社のタクソノミー工数は、スクリーニングとDNSHの根拠収集にあるのか、財務配賦にあるのか。閾値が軽くするのは前者だけです。

OpExは事業モデルに照らして重要でないと言えるか。そして、その理由を保証に耐える形で書けるか。

金融事業者であれば、オプトアウトの期間中に整合性の主張を伴う資金調達の予定があるか。

簡素化は実体のあるもので、データポイントの削減幅も大きいものです。残る仕事は、早い段階で決めることです。判断の理由を残し、公表しても差し支えない形にしておきます。その選択を公表することが、ルールの一部になったからです。

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